高周波成分とは
聞き取りやすい周波数が3000ヘルツ付近と紹介したが、周波数の高さには、それぞれ特徴がある。5000ヘルツから6000ヘルツの高周波が出ている声には、どのような特徴があるのだろう?感情音声の分析/合成を研究する森山助教に聞いた。
森山助教「『聞こえやすい周波数帯』でもご説明しましたが、音には基本的に、高周波から低周波まですべての周波数成分が含まれています。その中で、どの周波数成分が多いのかが、その音を特徴付けます。たとえば、『ア』という音と、『ス』という音では周波数成分が異なるのです。高周波成分が多く含まれるのは、『s』や『k』などの子音です。発音状態が良くないと周波数は変わるので、『ス』や『ク』と言っているつもりでもうまく聞き取ってもらえない場合、『s』『k』の高周波成分がうまく出ていない場合が考えられます。」
-子音がうまく発音されていることで、声全体の印象は変わりますか?
森山助教「はい。言語という音のかたまりを伝えるためには、いろいろな要素が必要です。その要素のひとつとして、子音も重要な役割を担っています。特にこの『s』『k』といった子音がはっきり発音されることで、『滑舌が良い』という印象を与えることができると思います。」
-確かに、「s」「k」って、声の印象を左右する気がします。
森山助教「さらに明瞭な声にするためには、母音がはっきりと発声されることも必要です。子音は5000~6000ヘルツの高周波成分を含みますが、母音がはっきり発声されていると5000ヘルツまでの低周波数帯が強調されます。そして、人間の耳は2500~4000ヘルツの周波数帯に最も敏感です。つまり、これらの周波数帯がどちらも出ていることで、『明瞭な声』に聞こえるようになるのです。」

日本人の多くが、カ行には「カッチリ」「キッチリ」、サ行には「サッパリ」「シャッキリ」といったイメージを持っているのでは。高周波成分の多い「s」「k」をきちんと発音することで、あなたのイメージを「爽やかできちんとした人」にすることができるかもしれない。
