滑舌の良い声とは
滑舌が悪く明瞭でない声は、聞きづらいだけでなく、なんだか格好悪く聞こえるもの。明瞭で爽やかに聞こえるためには、どんな風に声を出せばいいのだろう。ボイストレーナーの秋竹朋子先生に聞いた。
―そもそもどうして滑舌が悪いと格好悪く聞こえるのでしょう。
秋竹先生「サ行やカ行がうまく発音できないと、確かに耳障りですよね。カ行やサ行って、発声する際に強い息を瞬間的にフッ!と吐くことが必要なんです。滑舌が悪い人はこの吐く息が弱いので、なんだか頼りなく、爽やかではない印象になってしまうのだと思います。
息を瞬間的に強く吐けるかどうかは、『声の大きさ』の記事で紹介した腹式呼吸ができているかどうかによります。それからもう一つは表情筋の力ですね」
―表情筋というと?

秋竹先生「表情筋は顔を動かす筋肉ですが、これが固いとクリアな発音に必要な口の動きができないので滑舌が悪くなります。余談ですが、無愛想に見えるので、印象も悪いですよね(笑)」
―表情筋を鍛えるためにはどうしたら良いですか?
秋竹先生「口の中に指を3本入れて、口を大きく空ける練習をしましょう。のぞき込むと喉の奥まで見えるようなイメージですね。『あ・い・う・え・お』をそれぞれいつもより口を大きく空けて発声してみると、表情筋が動いているのがわかると思います。にっこり笑ったり、口を大きく開け閉じすることだけでも、かなり効果はあります。それから、舌を滑らかに動かすことも大事です」

―舌を滑らか……? 難しそうです。
秋竹先生「舌をべーって思いっきり前に突き出したり、舌で歯茎をなぞったりすると、舌をほぐす運動になります。あまりお喋りをしないと、表情筋や舌の動きも衰えるんですね。ですから、喋らなければ喋らないほど、明瞭な『モテ声』からは遠くなりますよ(笑)」
―確かに、ずっと黙っていると声が出しにくくなることってあります。日々のお喋りがモテ声をつくるんですね。
秋竹先生「声って生まれつきのもので変えられないと思っている人が多いですが、結構簡単に変えられるんです。2時間レッスンを受けるだけでも、大分変わることを実感できると思います。自分の出したい声が出せるようになると自信につながると思いますので、声に悩みを抱えている人は、ぜひボイストレーニングにチャレンジしてほしいですね」
声の高低や大小、明瞭・不明瞭さにはそれぞれ原因がある。その原因にきちんと対処すれば、爽やかでよく通る「モテ声」への道は遠くなさそうだ。
